ちひさき鳥日記

山と野鳥について発信しています♪

渓流で出会える茶色い鳥たち カワガラスの子育て・ミソサザイ

今回の記事は渓流で出会える鳥『カワガラス』の子育てについて書いています。
よく似た環境に生息するミソサザイも紹介しています。
 
 

 

 

カワガラス

留鳥 (スズメ目カワガラス科) 全長約22㎝ 
<生息地> 渓流
主な食べ物 : 魚 昆虫 水生昆虫
 

山地の河川、渓流に生息している留鳥です。川にいるカラスのような黒い鳥ということから『カワガラス』と名付けられました。
チョコレート色の丸い体で足は銀色もしくは灰色に見えます。カモのように水面に浮いたりカワセミのようを鳴きながら川面を飛ぶ姿が見られます。

食べ物は魚や水生昆虫などで水中を覗き潜水してつかまえます。

カワガラス瞬膜は白で観察していると頻繁に閉じていることがわかります。水中に潜る際はこの瞬膜を閉じて目を保護します。


 カワガラスの子育て
カワガラスの繁殖期は2月〜6月です。その頃になるとつがいになった雄雌は滝の裏側にある窪みに苔などを集めて巣をつくります。4〜5個の卵を産み雌が抱卵し雄は巣の周りを監視します。14日〜で孵化し21日〜で巣立ちをします。
 
巣立ち後の様子です。

私が出会ったのは2羽の幼鳥でした。この子達はすでに飛ぶことも出来て泳げます。もしかしてまだ巣立ちしていない雛がいるかもと思いしばらく通って見ましたが2羽のままでした。
 
 
親鳥が魚を持って帰ってきました。すぐに雛のところへ行かず少し離れた場所で周りをうかがっています。

安全を確認した後、幼鳥のもとへ届けます。
 

奥の子が一歩リードしています。その後もみくちゃしながら3羽が合流し
結局どっちの子がもらえたかわからなくなりましたが、無事に魚をもらえたようです。
 

こういった瞬間に出会うと胸が熱くなりますね。無事に育って欲しいと心から願います。
 
 
11日後の様子

左が親鳥 右が幼鳥です。
体色が黒くなってきています。前に出会った場所よりかなり下流で魚捕りをしていました。
しっかり飛べるようになり水面すれすれを二羽で飛んで行きました。
 
 
カワガラスと同じ場所でよく出会うのがミソサザイです。
この二種、写真で見ると似ていて私も実物を見るまでは見分けができるかなと思っていましたが、実際に見ると大きさがまるで違いました。
 
 

ミソサザイ

留鳥 (スズメ目ミソサザイ科) 

全長約11㎝ 

<生息地> 森林・人里     主な食べ物 : 昆虫 

 

春になると山地の渓流で長く高らかな”さえずり”が聞こえてきます。
その声の主が『ミソサザイ』です。
 
全長は11㎝でスズメより小さな鳥です。カワガラスは22㎝ですので半分くらいの長さです。
実際に見るとその小ささと、ちょこまかと岩の間を飛び回る素早い動きに驚かされます。
 
ミソサザイ留鳥です。春夏は山地の渓流で繁殖し冬になると平地に降りてきます。私の行くフィールドでも夏は数キロ先の上流で見かけ、冬の雪が降った後は下流で見られました。
普段から藪の中や暗い木の陰が好きな鳥でなかなか見つけづらいのですが、繁殖期になると岩の上の目立つところへ出てきてさえずります。観察4月〜5月頃がおすすめです。
 
 
以上がカワガラスの子育てとミソサザイでした。
 
 
みなさまのバードウォッチングが楽しい時間になりますように!
 

参考 : 新版 鳥 恐竜の子孫たち (小学館の図鑑・NEO)